どうして生姜専門店をやってるの?何者なの?オーナーの自己紹介と10年の振り返り

初めまして、GINGER FACTORYオーナーの古谷(ふるや)と申します。
私は1979年6月3日熊本県上天草市の生まれで、学生時代まで熊本で過ごし、就職と共に上京しました。その後サラリーマンをしていたのですが、自分のやりたいことを目一杯やってみようということで、2012年10月に蕨の自宅にて、ネット通販店舗の生姜専門店GINGER FACTORYを作りました。

よく「なぜ、生姜専門店を作ろうと思ったのですか?」聞かれるのですが、単純に生姜が好きだったからです。独立して何をやろうかな〜と思っていた時に、大好きな「生姜」ってのがピンと来たんです。(まーこの辺りは話すと長くなってしまうので、お話する機会がありましたらお話しますね^_^)

そして、生姜を調べてみると、私の出身地である熊本が国内2位の出荷量であることを知り、運命的な出会いだと感じたのを今でも覚えています。早速、地元に帰り、最高の生姜農家さんと出会い、契約することが出来たまではよかったのですが、生姜を調べれば調べるほど沢山の疑問と勘違い、わからない事が多く、検索しても出てこない、そんな日々が続き、自分で調べた生姜に関することをブログの記事にしたんです。

最初の3年間は、毎日ブログを更新し、生姜に関する知識をネットに溜めていきました。その甲斐あって、ネットからの注文もどんどん増えて、ある日、自宅の玄関が配送する商品で埋まってしまい、出入りが出来なくなったのです。これじゃいけない、ってことになって借りたのが蕨高校の近くにある、現在の本社です。

お店の裏が配送拠点になっていて、そこから商品を全国に出荷していたのですが、ことの他お客さんが来てしまったんです(おいおい、言い方!!)なんでこんな言い方するかというと、ネット通販のお客さんの99.9%が遠方のお客さんで、近隣住民の方々には興味を持っていただけないお店だと思い込んでいたのです。

本社近隣の方からしたら「こんなところにどうして生姜専門店?」と思われたかもしれませんが、それはネット通販が売上の大半だったので、場所は正直どこでもよかったのです。そのため、駅から遠く離れた、人通りも少ない場所でもよかったのですが、ことのほか、ことのほか、お客さんが来てしまったんです(おいおい、言い方!!)

あれ?これって需要あるの?そんな事を思っていると、「とあるイベントに出店しませんか?」との知らせが来ます。そこで初めて販売したのが、現在実店舗の看板商品となっている「ジンジャーエール」です。最初はこんなものが売れるはずがないと思っていたのですが、売れましたね〜びっくりする程売れました。

よ〜し、これからイベントにどんどん出店して、店舗も増やして、どんどん行くぞ〜と思っていた矢先2016年4月に思いもよらぬ事が起きます「熊本地震」です。朝起きてテレビを付けて広がる光景に涙が止まらず、狼狽してしまいました。「愛する熊本がこんなことになってる、どうすれば!!」そんなことで頭が一っぱいでしたが、同時に熊本からの生姜が届かない事が発覚し、「倒産」の二文字が頭に浮かびました。

「あー終わったな、ここで私の挑戦は終わりだね。」という気持ちと「私の愛する故郷をなんとかしないと」と頭の中は大混乱でした。すぐ熊本に駆けつけたいのに空港機能はストップ、開通までじっとすることができず、募金口座を作って、募金を募りました。その後、私は1週間ほどボランティアで物資を運んだり、炊き出しをしたりしていたのですが、色んな意味で2度とあんなことはしたくない!!と思いました。募金を募った際も「詐欺師」呼ばわりされたり、、、、(そりゃ〜倒産寸前だったからさ、集まった募金は喉から手が出るほど欲しかったよ。これは今だから言えるホンネ、もちろん全額NPO団体に寄付しました。)で、GINGER FACTORYはなんとか生き残りました^_^
ただ、震災はリスクヘッジという言葉を僕に教えてくれます。1つの産地だけだとリスクが高過ぎる。契約農家を分散させよう。そうして、全国の生姜畑に向かう日々が始まります。ついでに、台湾やタイにも行きました。現在では高知、長崎、埼玉などの取引先があり、今後も増やしていく予定です。

畑を回れば回るほど、更なる知識が蓄積されます。この頃から始めたのが「生姜のお話会」です。私が生姜の専門店を通してやりたいことは「消費者と農業との距離を縮めること」勘違い、誤解の多い生姜を消費者に浸透させることで、農業を身近に感じて欲しい。私は本気でそう思っています。だから、今でも生姜のお話会はお店にとって重要なポジションなんです。

そして、2017年戸田にお店をオープンするのですが、その後すぐに「浅草に出店しませんか?」というお誘いがあり、早々と戸田のお店を閉め、浅草に経営資源を集中させました。浅草のお店は大繁盛!!びっくりするほどジンジャーエールが売れました。そう、コロナまでは、、、、

一世一代の浅草出店から1年もたっていないのに、コロナです。あとは皆さんもご存知の通りでしょう。事業の柱となっていた浅草店の営業自粛。浅草から観光客がいなくなりました。そして、伸びていた屋外イベントも全て中止。数年間ネット通販から実売の方に軸足を移動していた当社にとって、ものすごい大打撃でした。

そして「倒産」の二文字がまた頭に浮かびます。

結局浅草店は色々あって閉店することになったのですが、ただ単に引き下がることも出来ず、2020年7月に蕨の西口に蕨駅前店を作ります。コロナの中のスクラップ&ビルドですが、全く勝算がありません。現在もなんとか店舗運営をやっている感じです。

会社を作ってから、浅草店をオープンするまで、私は殆ど人前に顔出しをせず経営してきました。(会社のイメージと私のキャラクターが重なるのが嫌だったんです)しかし、年に何度もテレビ出演することになって、道端で声をかけられる事も増えたので、思い切って私個人を全面に出ていこうと決めました。

コロナで時間があったのもタイミングだったのでしょう。YouTubeで動画投稿を開始し、4500人のフォローさんが見てくれるようになり、そして、出版会社から「本を出しませんか?」とのオファーを頂きます。

振り返ってみると、倒産の危機の後にGINGER FACTORYは強くなっている気がします。熊本震災では契約農家さんを増やすことができ、コロナではYouTubeや本の出版が出来ました。

これから先は、きっとコロナが落ち着いて来るでしょうということで、2022年は「全国で生姜のお話会をやりたい」と思い、実際にツアーを行っています。そして、他にも「罪悪感が無くなるスイーツ」や「生姜の化粧品事業」にも力を入れていく予定です。

そして、みんなの期待の大きい「生姜ランド」を作ります。宿泊施設を完備した生姜畑、セミナーなどが出来るキッチンや生姜料理を食べてもらう飲食店、思い描いた夢があるので、その実現に向けて動こうと思っています。
こんなヘンテコなお店ですが、七転八倒を楽しみながら見ていただければ幸いです。当店は今後も必ず転びます。そして、起き上がります。それがGINGER FACTORYです。次は何をするのか!?乞うご期待!!
今まで応援ありがとうございます。今後ともご贔屓の程宜しくお願い致します。