代表の古谷です。先週高知の生姜視察を終え、無事お店に戻ってきました。
「最悪の10年後生姜がなくなる事もあり得る」そんな事をスタッフに言っているのですが、
結構深刻です。簡単に言うと「後継者不足」なんです。
で、2年前にそれを感じた我々はいち早く行動に移しました。
「新規就農者(新規で農業を始める人)を増やせばいい」とても、
簡単な事だと思ったのですが、実情は簡単じゃなかったのです。
どこまで伝える事ができるかわかりませんがちょっとだけ書きますね。
私は、ここ数年何人もの新規就農者とお会いして、
「生姜を育ててくれないか?」とお願いして周っていました。
で、快く生姜を育ててくださる方もいらっしゃるんですが、
新規就農者の多くが少量多品目型という、読んで字のごとく、
野菜の種類が多く、その一つ一つの収穫量が少ないタイプが人気なんです。
ですので、生姜を収穫したとしても数十キロになるのです。
(GINGER FACTORYでは2日でなくなってしまう量)
きっと、自給自足を夢見て始めるのでしょうが、
実はこの少量多品目型はビジネス的にもあんまりうまくいかなくて
大半が農家自体を辞めてしまうのです。
生姜にメインを置き、今年2tを収穫する予定で熊本で農業を始めた方もいらっしゃいます。
ここは物凄く応援していたのですが、なんと、8月に全く雨が降らなかったので生姜が全滅。
更に、冠水施設(スプリンクラーなどの水を供給する設備)を入れようとしたところ、
地主とその近隣の農家さんから謎のNGを喰らい、
「土地を返せ」と言い争いになってしまいました。
ここは、耕作放棄地で農作物が育つ事の出来るように地道にやってきたのに、
蓋を開けたらこんな結果です。
もちろん、我々や生姜農家になろうとした人たちにはわからないその土地の
暗黙のルールや法律があるのかもしれませんが、、、、
結構、農家さんを一軒一軒周って話を聞くととても悲しくなって、
目眩がして、絶望感に襲われるんです。
更に、昨年天候不順で収穫量40%減の農家さんは
「数百万の借金をして首の皮一枚つないだ。今年収穫量がとれなかったら一家の終わり」
という話も聞きました。うちの契約農家さんです。
熊本の農家さんは「あと10年は続けられるけど、
息子は後を継がないからそれ以上は続けられない」
「息子が後を継ぐなら、俺は一生農作業を
しなくてはいけなくなってくる。体がもたん」とおっしゃっています。
もちろん、暗い話だけじゃないですよ。いい話もあるんです。
でも、大方こういった話がとても多くてどうすればいいんだろうな~と悩んでしまいます。
泣いてしまいます。
ずっと考えているので、何か浮かんで来そうなきがするのでもう少し時間をください。
きっと、この生姜を取り巻く環境を劇的に好転させてみせます。
それまでもうしばらく応援宜しくお願い致します。