生姜の旬(時期)がわかりにくい理由

新生姜の旬は夏じゃない!

新生姜の旬っていったいいつでしょう?
そもそも新生姜ってなんだと思います?
生姜は収穫したてが「新生姜(しんしょうが)」
それを寝かせることで「根生姜(ねしょうが)」になります。
新生姜から根生姜
だから新生姜の旬は生姜の収穫時期になるんです。

じゃー生姜はいつ収穫されるの?

ちょっとわかりにくいと思いましたので
本日は図を使ってご説明させて頂きます。
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注:露地物とは一般的にハウス栽培以外で育てられた野菜のことを指します。
図をご覧ください。
一般的に生姜は春先に種植えされ、収穫は11月初旬です。
つまり、11月が新生姜の旬になるのですが、
初夏に新生姜はスーパーに並びますよね。
あれらの多くはハウス栽培です。
農作物全般を見てもそうなのですが、
ハウス栽培が旬をわかりにくくしている様な気がします。

ハウス栽培が夏のイメージを牽引

5月から8月にかけてスーパーなどに売られている新生姜の多くが
ハウス栽培によるものだと思うのですが、
この時期に新生姜の問い合わせが非常に増えます。
しかし、問合せが増える7月頃の生姜の様子をご覧ください。
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まだまだ2次茎までしか成長しておらず
収穫するには早すぎます。収穫するとこんな感じです。
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こちらは生姜を11月に収穫した時の様子です。
先ほどよりも大きいのがわかると思います。
生姜の生え方
一般的には4次又は5次まで成長した生姜を秋口に収穫します。
まとめますと、7月頃露地物の新生姜の出荷はちょっと早いんです。

新生姜の収穫時期は10月〜11月

どうしても、夏の印象の強い新生姜ですが、
実は旬は秋なんです。
(11月の霜が降りる時期までに収穫します)
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一般的には新生姜は収穫してすぐに出荷するもの
2~3ヶ月寝かせて、色づかせ、辛味を増したものが根生姜
だというのですが、

土の中でも色づいて行きます

生姜は土の中でも徐々に色づいてきます。
実際露地物でも9月の前半に収穫したものと
10月後半に収穫したものでは色のつき方が違います。
もちろん後者の方が濃くなるんです。
新生姜といえば、根生姜に比べて、
白くて柔らかいという認識が強せいか
10月後半に収穫されたちょっと色づいた新生姜を
新生姜として認められていない風潮にある様な気がします。
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秋になると売られていない新生姜

秋口になると新生姜がスーパーなどに置かれない
という事態がありますが
あれは、新生姜がなくなったわけではなくて
消費者が夏のイメージが強いせいか、新生姜が売れなくなるので
スーパーなども置かなくなるんだと思います。
ちょっと話が長くなりましたが、
これが生姜の旬や収穫時期がわかりにくい理由です。
余談ですが、
ちなみに秋口になるとハウスの新生姜は少なくなります。
それは露地物よりもハウス栽培の方が光熱費がかかり
原価が高くなるので、露地物が収穫される時期には割に合わないんです。
推測ではありますが、ハウス栽培をされている農家さんは
露地物も一緒に栽培されていると思います。
ですので、9月頃がハウスから露地に変わる時期なんです。

ハウス栽培と路地栽培どっちがいいの?

ちなみに、これは個人的な意見ですが、
ハウスだから悪い、露地物がいいなどという考えは全くございません。
ただ、夏の新生姜という印象が強くなっているので
本当の収穫は秋だよ〜秋の新生姜もおいしいよ〜
とだけ言いたいのです。
お、余談も長くなってしまいましたので
本日はこのあたりで終わらせて頂きます。